December 21, 2005

●冲方式ストーリー創作塾

冲方式ストーリー創作塾 卒業制作終わったばかりの私にとっては、実に今更な感じのお買い物ですが、やっぱ気になったので。
 帯に「キミにも『マルドゥック・スクランブル』が書ける!!」とか書いてあるので、「マジかよ。んじゃ、これでSF大賞受賞で賞金200万ゲットだ!」と一瞬ときめくことが出来ますが、世の中そんなに甘くはありません。私も22歳なので世の中の厳しさはそこそこ分かっているつもりです。いや、そんなことはどうでもいいですね。
 で、この本がどんな本なのかというと、冲方丁氏が一つの作品を作り上げる過程、いわゆるプロット作りから執筆までをなぞり、ストーリーやキャラクターを生み出し、そして形にするヒントを示した本です。つまり、文章表現のテクニックだとかの解説はなく、それよりもプロットプロットひたすらプロットな感じの、しっかりとした骨組みのあるストーリーを作るための本です。

 さて、本中ではマルドゥック・スクランブルとカオスレギオンと蒼穹のファフナーのメモやらプロットやらが持ち出されるわけですが、メモやプロットなのでもちろんネタバレもありますし、そもそも作品を知らなければ話について行けそうもないので、やはりそれらの作品を知っている方でないと厳しいかも知れません。まぁ、一応配慮はしているっぽいんですけどね。ちなみに私は、マルドゥック・スクランブルしか読んだことがないので、他のプロットはちょっと目を通しただけです。
 ということでマルドゥック・スクランブルのプロットが出来上がるまでのメモ、プロット、そして創作という過程(本中ではこれを、種書き・骨書き・筋書き・筋書き・肉書き・皮書きと表現しています)を拝見したわけですが、なんか最初のメモは思い悩んで書いてる感が強く、「やっぱプロでもそれなりに悩むんだな」と思ったり。そのメモが徐々に作品のイメージを形作っていく様は、読んでいてとても興味深かったです。
 やはり、プロであれ何であれ、やはり1つのモノを作り上げるには並々ならぬ労力が必要なんだろうな。

 そんなこんなで、なんか小説書きたいとかストーリー考えたいとか思っている人には結構参考になる本だと思います。少なくとも私は参考になったかな。あー、ネットに晒せるくらいのクオリティの小説が書けるようにまた頑張るかね。